そんなある日、豪華な羽のマントと羽の王冠をかぶった、メネフネの王がオラ王を訪ねてきました。
オラ王はメネフネの不思議な力をよく知っており、丁重に、水路作りを依頼しました。
すると、メネフネの王は、二つの約束を提示しました。
「まず、夜は静かにすること。犬には口輪を付け、にわとりもおとなしくさせ、人々は家から外に出ないこと。」
「そしてもう1つ、我々みんなに行きわたるように、たくさんの魚を用意してもらいたい。」
オラ王はこの条件に快諾したものの、その夜は心配で眠れませんでした。
明くる朝、人々と一緒に山の麓に出かけていって見ると、なんと、一夜にして長い長い水路が完成しているではありませんか!
これでもう、干ばつの心配をしなくて済む、と農民達も大喜びしたのは言うまでもありません。
早速、王は人々に命じて、取れる限りの魚を捕ってくるように言います。
しかし、王は、実はメネフネ達は、魚よりもエビ(オパエ)のほうが好物だということを知っていたため、
結局、何百万匹ものエビを捕まえることにしました。夜になり、オラ王はメネフネを招いて大祝宴を催し、
たくさんあったエビもあと2匹となったところで、1匹をメネフネの王が、残る1匹をオラ王が取ったとのこと。
メネフネの王が「これで、この水路はあなたのものだ。」と宣言し、水路は、キキアオラ(オラ王の水路)と名づけられました。
また、別の言い伝えによると、祝宴に饗されたエビがあまりに多くてメネフネ達は食べきれず、 大きな塊が残りました。
それが、岩の山となり、今も残るプウ・オパエ(海老の丘)と呼ばれるようになったとのことです。』
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